編集グループ〈SURE〉

SUREのおすすめ

金鶴泳
図書出版クレイン・金鶴泳作品集全2巻完結!

商品写真
金鶴泳作品集をぜひ多くの方に読んでいただきたく、ここにご案内いたします。

クレインは、SUREの本『隠された地図』の発売元を引きうけてもらった、わたくしども編集グループSUREの先輩出版社です。クレインの出版物の中で、わたくしどもが特に注目している下記2点の金鶴泳作品集をぜひ多くの方に読んでいただきたく、ここにご案内いたします。

鶴見俊輔氏・竹田青嗣氏絶賛! SUREも絶賛! クレインの本

はかない光でも
それがおとずれる瞬間がある限り
生きるという「無意味」に
今日も耐えられるかも知れない

『凍える口 金鶴泳作品集』(クレイン刊)

『凍える口 金鶴泳作品集』書影

定価:3,564円(本体3,300円+税264円)。
2004年7月刊。
四六判・ハードカバー・720ページ。
図書出版クレイン

表題作をはじめとする小説と、死の直前までの20年間におよぶ初公開の「日記」抄を収録。

【収録作品】

凍える口/冬の光/あるこーるらんぷ/鑿(のみ)/夏の亀裂/軒灯のない家/石の道/郷愁は終り、そしてわれらは──金鶴泳日記抄(略年譜を付す)

『土の悲しみ 金鶴泳作品集II』(クレイン刊)

『土の悲しみ 金鶴泳作品集II』書影

定価:3,780円(本体3,500円+税280円)。
2006年4月刊。
四六判・ハードカバー・736ページ。
図書出版クレイン

遺稿「土の悲しみ」までと、単行本未収録作品、エッセイ・書評などを収録。

【収録作品】

小説…緩衝溶液/遊離層/まなざしの壁/弾性限界/錯迷/仮面/あぶら蝉/月食/剥離/空白の人/土の悲しみ

ほかに、エッセイ、書評、習作、小品作品。巻末に竹田青嗣、有馬弘純、朴裕河による論考を併録。略年譜を付す。

……氏の文学を内閉的で脆弱なものと見なすむきもあるが、おそらくそれはちがっている。人間は誰でも才能や力によって「強く」あることができるが、そういったものを奪われてなお”勁(つよ)さ”を失わずにいることは至難である。金氏は自分の生の与件にいやというほどむきあわねばならなかったために、本能的に才や力からくる「強さ」の虚偽を知っていた。同時に自己の「弱さ」に敗北することのむごさをも。

──『土の悲しみ』所収 竹田青嗣「苦しみの由来」より

『凍える口』、『土の悲しみ』に寄せて 黒川創

 金鶴泳は、強度の吃音(どもり)をかかえていた。在日朝鮮人一世の両親は不和。父親は、ささいなきっかけをとらえて自分の妻を殴るひとで、その怒声は、金鶴泳の生涯を通して繰り返し夢のなかにまで響いて、彼を苛んだ。

 世界と自分とを隔てる、この発語不全の薄い膜の内側から、彼は世界を見た。外から見えているはずの自分の姿と、いまこれを書こうとしている自分の場所からの世界の姿は、ひとにはわずかな違いなのかもしれないが、ずれている。孤独の深みがここにあり、後悔と恥じらいの記憶がつきまとう。けれど、どうにかこれに「かたち」を与えることでしか、生きる重みは支えきれない、とも彼は感じている。

 妻に対する自分のいらだち、専横ぶりは、父と同じレールの上を走っているだけではないのか。わが子たちに、かつての自分と同じ悲しみを、いま、こうして味わわせてしまっている──。

(「軒灯のない家」)

 これを描くときの作家の筆致は、いささかのユーモアを帯びる。しかし、ふたたび、さらにしんしんと冷えていく。

 作家の自死から二十余年。とはいえ、残された作品群は、この世界の寒さのなかに立ち、むしろどれだけの生の重みを支えてきたか。

──「考える人」2006年夏号、新潮社。創刊4周年記念特集
「戦後日本の『考える人』100人100冊」、「金鶴泳」の項より。

著者について

金鶴泳(きん・かくえい)

1938年群馬県生まれ。1966年に「凍える口」で文芸賞受賞。

以後作家活動に入る。「冬の光」「鑿」「夏の亀裂」「石の道」の四作が芥川賞候補作となる。

吃音者・在日朝鮮人二世という生の条件の中で、独自の作品世界を築く。1985年に自死。享年46歳。

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