編集グループ〈SURE〉
「編集グループ〈SURE〉」は「街の律動をとらえる」(Scanning Urban Rhyme Editors)ことをめざして、京都から活動をはじめた集まりです。詳しくは「SUREについて」をご覧ください。
* 送料は一回のご注文につき、書籍・雑貨・チケットを問わず、何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
イベントの御案内
『中尾ハジメ×黒川創 レクチャー&トーク』 ~福島第一原発事故から10カ月──いま進行しつつある危機について~『黒川創×北沢街子×瀧口夕美 「アイヌのユリ子さん」上映会&トークLIVE』
編集グループSUREの最新刊の御案内
山田稔 日本の小説を読む
2011年10月下旬刊行
かつて京都には、こんな読書会があった!
「日本小説を読む会」の盛衰史が、その中心人物、作家・山田稔によって語られます。
熟読、分析、毒舌のかぎりを尽くした「日本の小説」16作品をマナイタに上げての徹底討論も収録!
刊行のごあいさつ
「日本小説を読む会」は、一九五八年、京都大学人文科学研究所での雑談がこうじて結成され、月に一回の例会を、一度も休むことなく、実に三七年間続けられた読書会です。会を立ち上げた中心的人物は、山田稔と故・多田道太郎(フランス文学者)。のちにメンバーは、大学、高校の教員、サラリーマン、学生と増えていきます。
毎回、一人の報告者が、これぞという小説を選んでそれについて発表。参加者も、それぞれが歯に衣着せぬ発言で、作品をめった斬りにするという、小説の作者としては身の毛のよだつ光景。その数時間におよぶ会の様子が、テープ録音でなく、山田稔ら会員の速記(?)によって記録され、毎回「会報」という形でまとめられました。その記録の数、なんと四〇〇。
この度、知る人ぞ知る「日本小説を読む会」の盛衰史が、山田稔さんによって書き下ろされました。当時、どのように日本の小説が読まれたか、山田稔が記録をつとめた選りすぐりの「討論」一六篇を併せて収録しました。
ジャーナリズム、アカデミズム、コマーシャリズムの中心地・東京から遠く離れて、好きな小説を読んで、好きなことを言う。外国(とくに欧米)のものばかりありがたがる知的怠慢に喝を入れ、あくまで日本の純文学にこだわる。なかでも、生活(人生)に近い長篇小説を、素人として読んでいこう。「よむ会」はそういう集まりでした。
さて、どのようにこの読書会はつづけられたのか? 会費の徴収、会報の作成、印刷所との交渉、二次会の場所取り……、小説を読む以外にもやることはたくさんあります。
読書会だけにとどまらず、日本の小説が読まれた、時代、社会背景、当時の京都の雰囲気も生き生きと感じとれます。
巻末に、明治から現代までの日本の小説を見渡す「読んだ作品一覧」を収録。
日本の小説を読んでみたくなる一冊を、読書の秋にご案内いたします。
2011年 晩夏
編集グループSURE(代表・北沢街子)
目次
- 一、「日本小説を読む会」盛衰史 山田稔
- 二、小説をこんな風に読んだ──討論の記録
- 井上光晴「死者の時」 (1960年)/山田稔[報告者]
- 深沢七郎「風流夢譚」 (1960年)/西川長夫
- 高見順「いやな感じ」 (1963年)/多田道太郎
- 近松秋江「黒髪」 (1924年)/杉本秀太郎
- 安岡章太郎「海辺の光景」 (1959年)/大槻鉄男
- 黒井千次「時間」 (1969年)/山本明
- 太宰治「走れメロス」 (1940年)/多田道太郎
- 尾崎翠「第七官界彷徨」 (1931年)/山田稔
- 織田作之助「六白金星」 (1946年)/安部政子
- 夏目漱石「それから」 (1909年)/多田道太郎
- 富岡多恵子「波うつ土地」 (1983年)/小笠原信夫
- 加能作次郎「乳の匂い」 (1940年)/山田稔
- 金鶴泳「凍える口」 (1966年)/飯沼二郎
- 小沢信男「わが忘れなば」 (1965年)/北川荘平
- 上司小剣「鱧の皮」 (1914年)/中島香
- 正宗白鳥「牛部屋の臭い」 (1916年)/小関三平
- 三、後のはなし──会報の「合本」が出来るまで
- 四、読んだ作品一覧
ご注文方法 (本書は直接販売のみです) 同封の、または郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名『日本の小説を読む』、冊数をご記入の上、
〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき2520円(定価2310円+送料210円)をお払込みください。わたくしどもより責任をもって、郵送にてお届けいたします。
※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
山田 稔(やまだ みのる)
1930年 福岡県門司生まれ。
主な著書に『コーマルタン界隈』、『富士さんとわたし─手紙を読む』など。翻訳にロジェ・グルニエ『チェーホフの感じ』他、多数。
山田稔『日本の小説を読む』
2011年10月下旬刊行
四六判・並製、224ページ、定価2310円(本体2200円+税)
発行・発売 編集グループSURE
中尾ハジメ 『原子力の腹の中で』
2011年9月下旬刊行
3・11で、
この世界は変わってしまったか?
『スリーマイル島』の著者、中尾ハジメが語りつくす
原子力の混沌の中で、
私たちはどう考え、
行動していけばいいのか?
中日新聞/東京新聞・Chunichi BookWeb(2011年10月)
刊行のごあいさつ
いま、福島第一原発事故をめぐって、新聞、雑誌、本、テレビ、インターネット上などの情報は、いろんな立場から発信されています。工学的、医学的な、専門家たちの議論、政治的な議論、経済的側面からの議論、そして、単なるうわさ話や、混乱を深めるだけではないかと疑いたくなる話。放射能の被害ひとつとっても、放射能の専門家たちの意見さえ、割れています。食品の放射能汚染は、今後どんどん進行することでしょう。「風評被害」といいますが、どこまでが根も葉もない風評で、どこからが現実に根ざした害なのか。いったい、誰が「正しく」判断してくれるのでしょうか?
原発事故以来、私たちの周りには、たくさんの言説が投げ出されていて、まるで、原子力という巨大な魚の腹にのみ込まれたかのようです。人間の身の丈を越えた混沌、それが原子力の意味するところかもしれません。そして、この混沌には、生活基盤が根こそぎ奪われる危険がうごめいています。
私たちはすでに原子力の腹の中にいます。なにを足場にして考えたらいいのでしょうか?
今回お話しいただいた中尾ハジメさんは、1979年3月の米国スリーマイル島の原発事故のあと、現地を歩いて、調べ、考え、住民の人たちとの話を重ね、『スリーマイル島』(野草社)という本を書きました。この本は、一人で知識を身につけた生活者として、原子力の問題にどう向きあえるのか、その問題を抱きつづけて自問する本です。スリーマイル島事故の経験から中尾さんがわかったことは、「原子力は素人を閉め出している!」ということ。しかし、そこに素人としての足場をどう築けるかに私たちの未来はかかっているのでは?
中尾さんが、独特の切り口で、原発事故前後の報道や、世界各地の専門家たちの態度やふるまい、原子力にまつわる人間の歴史を解説します。
東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故という、この大災禍のもとで、これからの世界をどう生きていくか。私たちが、素人の、常識的な立場から、原子力や放射能汚染について考えることが、この絶望のなかを生きる手だてになるのではないか。科学史家の山田慶兒さん、文芸評論家の加藤典洋さんらが聞き手として参加。今後どう生きていくべきかを、一人ひとりの立場から考えます。
2011年 晩夏
編集グループSURE(代表・北沢街子)
第一章 原発事故を前にして、私たちは何を言うことができるのか
第二章 核という不全技術が生んだ、管理と隠蔽の社会
第三章 一つの言葉によって隠される、もう一つの言葉
中尾ハジメ
1945年、東京生まれ。京都精華大学教員。環境社会評論家。
著書に『スリーマイル島』(野草社)。訳書にL・オルソン『アンビヴァレント・モダーンズ』(共訳、新宿書房)ほか。
ご注文方法(本書は直接販売のみです)
郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名『原子力の腹の中で』、冊数をご記入の上、
〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき2520円(定価2310円+送料210円)をお払込みください。
わたくしどもより責任をもって、郵送にてお届けいたします。
※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
中尾ハジメ
『原子力の腹の中で』
2011年9月下旬刊行、四六版・並製 240ページ、定価2310円(本体2200円+税)、編集グループSURE
SUREの新刊のご案内
編集グループSURE・編
『北沢恒彦とは何者だったか?』
2011年6月中旬刊行
人びとの証言が織りなす、
その生涯の記憶のタペストリー
語られる者の歴史と、語り手の人生の時間が交差する、
新しい伝記への試み。
編集グループSURE創始者・北沢恒彦(1934−1999)、
京都の町の一隅に生きた65年間
読売新聞・本よみうり堂 (2011年6月28日読売新聞)
毎日新聞・毎日の本棚 (2011年7月17日毎日新聞)
BOOK asahi.com(2011年8月19日週刊朝日)
刊行のごあいさつ
編集グループSUREの創始者、北沢恒彦(1934ー1999)の生涯を、関係者たちの証言でたどる評伝『北沢恒彦とは何者だったか?』を刊行いたしました。
北沢恒彦は、1934年、正規の婚姻関係にない両親のもと、京都で生まれました(当時の姓は「吉岡」)。幼時に実の両親から引き離されて、京都市左京区の米屋、北沢三郎・好納夫妻に預けられ、のち、その養子となります。高校生時代に、非合法化された共産党のもとで朝鮮戦争反対の運動に加わって、火炎瓶を投じるなどして逮捕。起訴を経て、およそ2ヵ月間を牢獄で過ごしました。
同志社大学卒業後は、製パン会社を経て、京都市役所に勤務し、かたわら、京都ベ平連によるベトナム反戦運動、雑誌「思想の科学」の刊行などにも参加します。1967年、京都市役所内での勤務部局が、京都市中小企業指導所に移ると、ここでの中小企業診断士としての仕事に興味を深めるようになりました。これにより、京都の町をくまなく歩きつつ、商店主たちとの具体的なやりとりを通して、社会と人間のかかわりをさぐる作業を、1995年、満60歳での定年退職まで続けました。
その後は、京都精華大学の非常勤講師として「風土論」を講じるほか、左京区の実家を根城に、ひとりきりで「編集グループSURE」主筆を名乗って個人ジャーナル〈SURE〉の発刊を続けました。1999年11月、65歳で自死しました。
私ども編集グループSUREは、その後、同じ工房とグループ名を引き継いで、このちいさな出版運動を続けています。
北沢恒彦の生涯のありかたを明らかにすることは、私どもにとっても、自分たちの原点を確かめる上での長い宿題と考え、この本の刊行の計画を温めてきました。このたび、北沢恒彦の幼時から付きあいのあった方がたをはじめ、多くの人たちから証言をいただくことができました。こうした直接の知人の生の声のみで構成する伝記は、一冊の評伝の表現方法としても、ひとつの挑戦となるかと存じます。
みなさまのご一読をお願いし、ご案内を差し上げます。
2011年春
編集グループSURE(代表・北沢街子)
本書に登場する主な語り手たち
- 鶴見俊輔(哲学者)
- 横山貞子(英米文学者)
- 秋野イサム(画家)
- 塩沢由典(経済学者)
- 津野海太郎(編集者・評論家)
- 森嶋瑤子(エッセイスト、経済学者・故森嶋通夫氏の夫人)
- 宇治田脩孟・惠子(京都・ひさご寿司主人夫妻)
- 中尾ハジメ(環境社会学者)
- 阿部哲三(フランス語教師)
- 井上等・章子(京都・徳正寺)
- 那須耕介(法哲学者)
- 柴田宣史(京都精華大・元学生、時代工房主宰)
- 小谷弘子(ご近所)
* - 北沢德子(妻)
- 石川惣代治(いとこ)
- 北沢義昭(いとこ)
- 石川スミ子(いとこ)
- 前田文子(いとこ)
- 米田修造・幸子(叔父・叔母)
編集グループSURE・編
『北沢恒彦とは何者だったか?』
2011年6月中旬刊行
四六版・上製 336ページ
北沢恒彦年譜/解説 黒川創
定価3150円(本体3000円+税)
ご注文方法 (本書は直接販売のみです)
同封の、または郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名(『北沢恒彦とは何者だったか?』)、冊数をご記入の上、〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき3360円(定価3150円+送料210円)をお払い込みください。わたくしどもより責任をもって、郵送にてお届けいたします。
※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
2011年5月下旬刊行
山田慶兒・編集グループSURE
『コーランを読んでみよう』
世界は、そこから、どんなふうに見えているんだろう?
その場所は、ここと、どんなふうに違っているんだろう?
わたしたちは、どんなふうに、つながっているんだろう?
気になりながら、まだ読んだことがない、イスラム教の聖典「コーラン」。科学史家・山田慶兒さんといっしょに、これを全巻通して読んでみよう!
「異なる文化」を理解するのは、簡単なことではない。けれど、人びとが大切にしている「聖典」を読んでみることは、最初の一歩にはなりそうだ。
毎日新聞・毎日の本棚 (2011年6月30日毎日新聞)
刊行のごあいさつ
イスラム教の聖典「コーラン」を読んでみたいと思いました。原文はアラビア語。それを読むのは私たちには無理なので、とりあえず、日本語訳の岩波文庫『コーラン』(井筒俊彦訳、全3巻)を。いい訳だと聞いていたので、これなら最後まで読み通すことができるのではないかと、考えました。
科学史家の山田慶兒さんに、読書会のリーダー役をお願いしました。人類の歴史に見識豊かな山田さんなら、平易な言葉づかいで、初歩的な疑問も、ともに考えていただけそうだったからです。
かつて、日本の私たちにも、アラブの世界には、漠然とした憧れがありました。沙漠をラクダで旅するキャラバンのイメージとか。
2001年、アメリカ合衆国で起こった9・11事件以来、これとはまったく異質なイスラームやアラブ世界のイメージがメディアを覆うようになりました。それからの10年間、私たちは、この恐怖と緊張に満ちたイメージのなかに閉じ込められて過ごしてきたように感じます。
もちろん、かつての「月の沙漠」のアラブのイメージが、ひどく一面的だったことは確かでしょう。ですが、そうかといって、現在の国際政治、戦争、石油利権などから語られるイスラーム、アラブ世界の像だけが、事実に即したものだとも思えないのです。
何が事実かを判断するのはむずかしい。ましてや、「異文化を理解する」などというのは。けれど、まず、そこの人たちが大切にしている「聖典」を読んでみることは、なにか、未知の世界を理解しはじめる手がかりを私たちにもたらしてくれそうに思いました。読みながら、議論を重ねていくことができれば、理解出来ることもあるでしょう。読まないままでいるより、ずっと身近に感じられることもありそうに思えます。
まず、ここから始めてみよう、というのが、私たちの出発点でした。
3部構成によって、岩波文庫『コーラン』を上・中・下巻と読み進みながら、私たちの普段の言葉づかいで、この聖典の内容、歴史と社会背景などを読み解いていきます。
2011年春
編集グループSURE(代表・北沢街子)
ご注文方法(本書は直接販売のみです)
同封の、または郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名(『コーランを読んでみよう』)、冊数をご記入の上、〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき2835円(定価2625円+送料210円)をお払込みください。わたくしどもより責任をもって、郵送にてお届けいたします。
※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
山田慶兒・編集グループSURE
『コーランを読んでみよう』
2011年5月下旬刊行
四六判・並製、288ページ
定価2625円(本体2500円+税)
発行・発売 編集グループSURE
2011年4月刊行
小沢信男・津野海太郎・黒川創
『小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか』
自ら書く、いっぽうで、編集もする。作家であり編集者でもある3人による、共同制作の試み?
──現役最長老級、今年84歳の作家・小沢信男さん。
いまも軽快に町をくまなく歩き、旺盛に創作活動を続けておられるけれど、はたして、この人はいったいどうやってこれまで食ってきたのか?!
小沢信男・津野海太郎・黒川創
小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか
2011年4月刊行
定価1890円(本体1800円+税)
四六版・並製 152ページ
編集グループSURE
書き、読み、そして編集する。
笑いとカンシャクの人、小沢信男さんの仕事と人生と文学運動の全貌を、異なる世代で共通の作業を続ける津野海太郎と黒川創が、つっこみ、議論をしながら、根掘り葉掘り聞きだしていきます。
『小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか』
刊行のごあいさつ
現役最長老級、今年84歳の作家・小沢信男さんは、今も軽快に東京の町のあちこちを歩き、旺盛に創作活動を続けておられます。あまりにお元気なので、私たちも、つい、この人が「最長老」なのだということを、ほとんど意識することもなく、今日に至りました。 とはいえ、すでに60年以上にわたっている小沢さんの作家生活は、実に多面的なものとして知られています。 花田清輝、長谷川四郎らと、共同制作にもとづく芸術運動の試みを続けた人。 小説から、犯罪ルポという分野へとはみだして(?)、一連のルポ作品に豊かな人間観察、社会史の広がりを刻み込んだ人。 雑誌「新日本文学」の活動に50余年にわたって加わり、ついにみずからそれに終止符を打たせた人……。 つまり、小沢さんの長い作家生活を知ることは、ここに至る日本の文学運動、芸術運動のひとつの流れを追体験することにも重なるわけです。 でも、この人は、そういう多彩な(けれど、お金にはあまり縁がなさそうな)活動を続けながら、いったい、どうやって食べてきたの? それが、まず、私たちが抱いた疑問でありました。 いや、いろいろ道はありそうなんです。 主な聞き手は二人。世代は異なるけれど、小沢さんと同じく書き・読み・編集する活動を続ける津野海太郎、黒川創。 小沢さんの今日に至るまでの歩みが、二人の聞き手から繰り出される、つっこみや議論を通して、次つぎと展開されていきます。小沢さん曰く、「支離滅裂なのに読みやすい」。 日々の暮らしの知恵、年齢の重ねかたへのヒントとしても、お役に立つのではないかと思っています。
2011年春
編集グループSURE (代表・北沢街子)
本書の目次 親のすねのかじりかた/じつは、こまごまと働いてきたんです/政治がわかんないやつだと思われて/次から次へと瓢箪から駒/花田清輝の「共同制作」とは?/長谷川四郎と、兄貴・長谷川濬/銀座の自動車商会のせがれ/受験・落第・結核療養/竹刀はやわらかく持つ/モダンと学帽/雑誌「新日本文学」を終わらせる/原稿料がわりに絵をもらった/調べて書く楽しみ/水による東京の境界線/創作の無所有へ/ウソをつこうという意欲/連句が気になって/句会と詩人たち/ロシアでの井上光晴/二つの戦後文学/飲めないままの酒のこと/ここにこんな人がいる/人は生きているように死んでいる/町を歩いて、発見する
ご注文方法(本書は直接販売のみです)
同封の、または郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名(『小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか』)、冊数をご記入の上、〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき2100円(定価1890円+送料210円)をお払い込みください。わたくしどもより責任をもって、郵送にてお届けいたします。※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
山田慶兒『技術からみた人類の歴史』
「宇宙の根本法則の追求」から、
「身近な世界の探究」へ──。
2010年9月中旬刊行
四六判並製、192ページ、定価2310円(本体2200円+税)
発行・発売 編集グループSURE
この時代に、
わたしたちは、
どこから来て、
どんな未来へと
向かうのだろう?
本書の主な内容
- まえがき
- レクチャー
- 人間の技術の始まり
- 「人類の教師」たち
- 道具——「体の延長」と「運動機能の延長」
- 機械の登場
- 作る・知る・表す
- 初の精密機械としての時計
- 風力、水車
- 産業革命、エネルギーを生産する
- 20世紀、ニュートン力学の終焉と物質観の変容
- 粒子から波動へ
- 通信、脳、分子生物学
- 身近なものの探究へ
- 質問と討議
- エッセイ「土法の思想」
山田慶兒『技術からみた人類の歴史』
刊行のごあいさつ
わたくしども編集グループSUREは、今秋、科学史家・山田慶兒さんによる畢生のレクチャー、『技術からみた人類の歴史』を刊行いたします。ゆかりの読者のみなさまに、ご案内を申し上げます。
この21世紀初頭、わたくしたちは、現代科学技術文明が到達した社会のただなかを生きています。ただし——、これは核と高性能ミサイルによる国家間の軍事技術競争に象徴されており、また、芸術やスポーツまでもが科学技術への従属の下に置かれる時代をも意味していると言えそうです。
こうした科学技術文明は、人間の歴史のなかでどのような道筋をへて形成され、さらには、これからいったいどこへ向かおうとしているのでしょうか。著者の山田慶兒さんは、日ごろの暮らしのなかの誰にも通じる言葉で、それを解き明かしていく必要があると感じておられます。
人類の技術の歴史は、旧石器時代、石と石とをぶつけあって打製石器がつくられたときから、すでに始まっています。こうした「道具」の種類が増えるにつれて、それに対応する概念——つまり、人間の言語も豊富になってきたことでしょう。
新石器時代にいたると、大規模な農業も始まり、さらには、世界のあちこちに、いわゆる「四大文明」が発展する時代へと移ります。
建築、船、車、織物……今日へと続く「技術」の原型は、すでにそのころにはほぼ出揃っていたのだと、山田さんはおっしゃいます。
ギリシアのターレスらに始まって、釈迦、孔子、ピタゴラス、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、孟子、荘子、ユークリッド……イエスにいたるまで、偉大な「人類の教師」たちが、続々と現れてきたのが紀元前600年ごろからの数百年間。
こうした人間の活動の三つの基本的要素〈作る(製作)〉〈知る(認識)〉〈表す(表現)〉——技術、科学、芸術——を、一人の個人のなかに統合して活躍するレオナルド・ダ・ヴィンチのような人物が登場するのは、それから千数百年を経てのこと……。
山田慶兒さんのレクチャーは、こうした人類の歴史を跡づけていくだけでなく、これの上に立ち、いま、わたくしたち一人ひとりが生きる場所での「土法」(その土地に根ざしたやり方)を掘り起こしながら、同時代の課題と取り組む方法へと道を開きます。
この時代、文明は栄えているのに、まさにそのこと自体が、なんとなく不安。だからこそ、わたくしたちがここに立ち至ったゆえんも、心得ておきたい。
そういう思いで、この一冊の制作を進めております。
なにとぞ、みなさまのご予約をお願いいたします。
2010年 水無月
編集グループSURE 一同(代表・北沢街子)
山田慶兒『技術からみた人類の歴史』
2010年9月中旬刊行
四六判並製、192ページ、定価2310円(本体2200円+税)
発行・発売 編集グループSURE
ご注文方法
(本書は直接販売のみです。)
同封の、または郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、 書名(『技術からみた人類の歴史』)、 冊数をご記入の上、
〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき2520円(定価2310円+送料210円)をお払い込みください。 本が出来上がり次第(9月初旬予定)、 ただちに、わたくしどもより責任をもって、 郵送にてお届けいたします。※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。 (日本国内、同一の宛先に)
SUREの新刊
祝 米寿記念出版
鶴見俊輔『もうろく帖』
2010年6月下旬刊行
半上製糸かがり、箔押し、文庫サイズ、190ページ、口絵ページ(著者自筆)カラー刷り、著者検印つき
定価2100円(本体2000円+税)
発行・発売 編集グループSURE
「夢をみる時間をあたえられたことに感謝する。」
88歳、その思索と著述を支える秘密、
座右の覚え書きのノートをそのまま公開。
鶴見俊輔『もうろく帖』
刊行のごあいさつ
今年、2010年6月25日、京都在住の哲学者・鶴見俊輔さんは、満88歳の「米寿」をお迎えになります。
この機会に、私ども編集グループSUREは、老年期の鶴見さんの思索と著述を支えてきた座右の覚え書きのノート『もうろく帖』を、そのまま翻刻、刊行するお許しをいただきました。
美装の手帳型の一冊に、1992年から2000年までの鶴見さんの精神のうごきのありようを再現し、ゆかりの読者のみなさまにお届けしたく、ご案内をさしあげます。
この一冊の本に書きとめられているのは、いずれも、詩のような短いフレーズばかりです。
さまざまな古人・今人たちの著作や作歌からの、気になる一節の抜き書き。また、それらに触発されて湧きあがってきた、鶴見さん自身の新たな発想。他者と自己とのきれぎれな着想が、それぞれに立ちあらわれて、自在なダンスを舞っているかのようです。
いわく──。「馬鹿孤ならず、必ず隣有り。目の寄る所たまが寄る。」平賀源内
「偉大な冒険とは同じ顔の中に日ごと見知らぬものが現われるのを見ることだ」アルベルト・ジャコメッティ
「けっしてまちがいのないような愛からは永遠に解きはなちおきたまえ」澤村光博
「よぼよぼのじいさんと自分を見る。──みずからをよぼよぼと見さだめることのむずかしさ、それには日々の努力がいる」鶴見俊輔
……というぐあい。
混じり気なしの手帖です。ほかには何の飾りもありません。欧文・漢文の詩などの抜き書きには、若干の試訳や後注を鶴見さんに付していただきました。
鶴見俊輔「『もうろく帖』について」を、書き下ろしの後記としています。
2010年 水無月
編集グループSURE一同(代表・北沢街子)
2010年6月下旬刊行
鶴見俊輔『もうろく帖』
半上製糸かがり、箔押し、文庫サイズ、190ページ、口絵ページ(著者自筆)カラー刷り、著者検印つき
定価2100円(本体2000円+税)
発行・発売 編集グループSURE
この本に関する記事
(朝日新聞 asahi.com 2010/7/19 記事「米寿を記念し「覚書ノート」 哲学者の鶴見俊輔さん」)
ご注文方法 (本書は直接販売のみです。)
同封の、または郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、
書名(『もうろく帖』)、冊数をご記入の上、
〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき2310円(定価2100円+送料210円)をお払い込みください。
郵便局からの伝票を確認し次第、
ただちに、わたくしどもより責任をもって、
郵送にてお届けいたします。
※送料は一回のご注文につき、書籍、
雑貨、チケットを問わず何点でも210円です。
(日本国内、同一の宛先に)
鶴見俊輔『ちいさな理想』
2010年2月中旬刊行
四六判並製、248ページ 定価2520円(本体2400円+税)
発行・発売 編集グループSURE
鶴見俊輔『ちいさな理想』刊行のごあいさつ
哲学者・鶴見俊輔さんによる最新の評論・随想集、『ちいさな理想』を刊行いたしましたので、お知らせいたします。
著者が70歳から80歳代にかけて書きついできたものを中心に、ほかでは読めない85本の論考を選りすぐりました。
この「21世紀」という時代を、過ぎてきた「20世紀」と合わせて見わたし、それを正面から論じたもの。
悩みや抵抗を体のなかに抱えつづけて、そこに実ってくる思想の力に目をむけたもの。
ひとりきりの読書のひそかな愉しみ、時とともに熟れてくる、その味わい……。
今年、満88歳の米寿をお迎えになる鶴見さんの思索は、さらにみずみずしく、新しい冒険へと乗りだしていきます。
時代の行方は、これからいっそう先の見えない暗がりにむかって進むかもわからない。けれども、そうした薄明のなかにあってこそ、ぽつん、ぽつんと、彼方にともる希望の火種を見つけだすこともできるのではないかと、鶴見さんはおっしゃいます。
ちいさな理想──。つましくも持続するともしびが、これからの時代に、私たちの足もとを照らしていくことを望みつつ、この一冊を送りだします。
ご注文をたまわれれば、ありがたく存じます。
2010年 新春
編集グループSURE 一同(代表・北沢街子)
目次
巻頭言 もうろく帖から
第一章 時代の峠に立って
「同時多発テロは、私にとっても、不安に火をつけた。さかのぼって考えれば、家族は、不安から求めた秩序である。その秩序もまた、ゆすぶられている。ここが、私たちの出発点になる。」
第二章 悩みが思想を支えている
「自分の部族が死にたえ、意を決して、都会にむかってあゆみだすヤヒ族のインディアン、イシが、都会文明の側で、文化人類学者のアルフレッド・クローバーに会う。 思想には、科学に還元しきれない悩みの深さというところがあり、その悩みの深さが、アルフレッド・クローバーだけでなく、夫人を動かし、やがて娘(ル=グィン)の創作の動因となり、さらに、娘の読者へとうったえる。今ゆきづまっている国民国家を食いやぶる方向がここにひそんでいる。」
第三章 自分用の本
「この本『君たちはどう生きるか』が私につたえたことのなかで、重大なものは、「一歩おくれた場合」という問題である。そのときにすぐにふみこんで対さなくてはならないのに、気おくれして、その機会を逸する。そういう場合の悔恨が、どのようにその後思想として育つか。」
あとがき
(サンデー毎日 2010年4月4日号 掲載)
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新シリーズ《この人に会いたかった》全5巻 完結いたしました。
各巻ともA5判、およそ120頁。価格は各巻本体1200円+税60円。
《この人に会いたかった》全5巻 ラインナップ
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第1巻 『人生に退屈しない知恵』
ゲスト・森毅(数学者)・鶴見俊輔(哲学者)
2009年9月下旬刊行
老年に達しても残りつづける、出会いを重ねた人びとの面影。膨大な記憶と学識の貯蔵庫を開いて、数知れぬ「肖像(ポルトレ)」を描きつぐ二大名人、森さんと鶴見さん。お二人の談義は、「もう一つの京大百年史」に始まって、人生のゲーム感覚、芸人論などなど、とどまるところを知りません。いわく「年を取るのも芸のうち」。──まえがきは鶴見俊輔。
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第2巻 『「国」って何だろうか?──オバマのアメリカ合衆国、私が生まれた日本』
ゲスト・室謙二(ジャーナリスト)
2009年11月下旬刊行
米国史上初のアフリカ系大統領、オバマの大統領就任で、USAはどんなふうにかわったの!? カウンターカルチャー世代で、米国に移り住み、ついに国籍も「米国人」となった室謙二さん。その混合家族(ステップファミリー)の目から見たUSAとは? 愛国心って!? 先住民や黒人の歴史に映る、その世界とは?──まえがきは海老坂武。
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第3巻 『ピアノは、ここにいらない──祖父と父とぼくの時代』
ゲスト・高橋悠治(ピアニスト)
2010年1月下旬刊行
音楽のジャンル分けなど、われ関せず、豊かで独創的な音楽世界をますます旺盛に生みだしつづける「天才ピアニスト」高橋悠治さんも、実はもう70歳。この機会に、前から気になっていたことを、何でも訊いておこう! 多面的な顔を持つ父、音楽批評家の高橋均氏のこと。朝鮮語で『耶蘇伝』の著書もある、祖父、高橋鷹蔵氏のこと。セツルメント活動などのなかで斃れた伯父、高橋元一郎氏のこと……。まえがきは杉本秀太郎。
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第4巻 『バーリンという名の思想史家がいた──「ひとりの人」を通して「世の中」へ』
ゲスト・那須耕介(法哲学者)
2010年3月下旬刊行
「『難民』がバーリンの著述の隠されたキーワードである」と鶴見俊輔さんは述べる。ラトヴィアのリガで生まれ、ロシア革命のなかをイギリスに逃れて『自由論』の著者となった思想史家アイザイア・バーリン。いま、とても重要そうでありながら、正体もつかみにくいこの人物のおもしろさを、俊英の法哲学者、那須耕介さんが追っていきます。──寄稿・鶴見俊輔「バーリンについての読書会」。
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第5巻 『アイヌ語のむこうに広がる世界』
ゲスト・中川裕(言語学者)
2010年5月下旬刊行
北海道などの先住民アイヌ民族のことば、アイヌ語。それを母語として育った世代の人びとは、いまではほとんど亡くなってしまったけれど、先人たちの知恵を引きついでの研究と、ことばの復興へのうごきは、広がりを増している。ことばって、調べることで何がわかるの? 実はいろんなことがわかるらしいんです。──まえがきは中尾ハジメ。
ごあいさつ
私ども編集グループSUREは、ぜひお会いしたいと思っていた5人のゲストをSURE工房にお迎えし、じっくりとお話をうかがうことができました。ちょっと緊張気味の幕開け。そして、素朴でぶしつけな質問の連続にも根気よく答えてくださるうちに、ゲストの方の語り口もじょじょに打ちとけて……。ゲストもさることながら、ほかの参加者も、塩沢由典さん(1、4巻)、海老坂武さん(2、4巻)、加藤典洋さん(2巻)、杉本秀太郎さん(3巻)、山田慶兒さん(3巻)、細川周平さん(3巻)、中尾ハジメさん(2、4、5巻)、ジョセフ・クローニンさん(2、4、5巻)、谷川道雄さん(5巻)など、多彩な顔ぶれです。
これまで以上にのびのびと、スリリングに展開されていくその場の議論に、ゆかりの読者の皆さまもお誘いしたく存じます。
別記のように各巻のご案内を申し上げます。ご検討くださいませ。
2009年9月
編集グループSURE(代表・北沢街子)
●この新シリーズ《この人に会いたかった》全5巻は、一般の書店では販売せず、SUREからの直接販売のみとなります。各巻定価1260円(税込み)。送料が210円です。複数冊や複数巻をお求めの際には、1260円×冊数+送料210円を郵便振替にてお払い込みください。ご購入のさいは、郵便局備付の郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名《この人に会いたかった》、巻数あるいは全巻セットなどをご指定の上、〈00910−1−93863 編集グループSURE〉あてにお払い込みください。●
※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨を問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
SUREの新刊
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ダンテ ・アリギエリ / 山田慶兒
『ダンテは世界をどう描いたか
──新訳「神曲地獄篇」と、その解説』
2009年6月下旬刊行
四六判・並装、およそ400ページ定価3360円(本体3200円+税)
『ダンテは世界をどう描いたか』は取り次ぎを通しておりませんのでご注意ください。
装幀・挿画 北沢街子 発行・発売 編集グループSURE
ダンテが、時代の先端をゆく科学観・自然観で描いた、地獄の光景。
現代に重なる乱世の叙事詩の新訳。いったいなぜ、ダンテは、こうした文芸作品を残したのでしょうか?
ごあいさつ
科学史家・山田慶兒さんによる、原著イタリア語からの新訳と、丁寧かつ詳細な解説で、ダンテ『神曲地獄篇』をお届けいたします。新訳の本文では、煩雑な注記などをいっさい排し、文芸作品としてすらすらと読み進められる工夫を凝らしました。
ダンテ・アリギエリ(1265-1321)は、13世紀後半から14世紀初頭を生きた、フィレンツェの知識人。当時のイタリアの自治都市は、中世の終わりと近代の始まりのはざまで、大きな技術革新のなかにあったと申します。したがって、ダンテによる地獄の光景の描写には、その時代の先端をゆく科学観、自然観が、生なましく反映されているのだと、山田慶兒さんは読み解いておられます。
ダンテは、この作品のなかで、みずから主人公たる巡礼者となって、地獄の各所をめぐり歩きます。そして、じつに多くの歴史上の人物たちとも出会います。けれど、そこでは、ほかならぬ巡礼者のダンテ自身が、責め苦を受ける罪びとを見て涙を流したり、ときには、そうした相手の苦しみを解いてやるとの約束さえ破って、人間としての弱さをさらけ出しながら、揺れています。
いったいなぜ、ダンテは、こうした文芸作品を残したのでしょうか?
社会発展と経済成長による緊張を高めるヨーロッパ社会は、ダンテが『神曲地獄篇』を書きしるした時代、いよいよ乱世へと、なだれ込んでいきます。まさに現代とも重なる様相が、この作品にはありありと刻まれており、ゆかりの読者の皆さまとともに、そうした読後の議論なども深めていくことができれば、まことに幸甚に存じます。
2009年 卯月
編集グループSURE(代表・北沢街子)
本書の内容
はじめに
神曲地獄篇の目次と梗概
翻訳 神曲地獄篇
解説 神曲地獄篇
1 歴史のなかのダンテ
2 神曲とはなにか
3 神曲の宇宙論と地理学
4 地獄の地形学
5 地獄の倫理学と神学
6 地獄の風景論──自然観察者の眼
7 地獄の人間学
8 中世の終焉と近代の終焉
あとがき
(京都新聞 2009年10月1日 掲載)
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『僕は村の先生だった ──村が徳山ダムに沈むまで』 大牧冨士男著
2009年7月上旬刊行
解説 黒川創、四六判変形・並装、150ページ・装幀 北沢街子定価1575円(本体1500円+税)
好評『ぼくの家には、むささびが棲んでいた──徳山村の記録』、『あのころ、ぼくは革命を信じていた──敗戦と高度成長のあいだ』に続く、ひとつの村の歴史を人生に重ねて証言するシリーズ完結編!
結婚し、小学校の先生として徳山村へ戻った。
ぼくを待っていたのは、変わりつつある村のすがただった。
農作業や炭焼きなどの自給自足の村の暮らしにふたたび活気をあたえていたのは、現金収入が得られる災害復旧の土方仕事だった。しきたりを重んずる平等な村に、月給取りとして戻ったぼくをとりまく、微妙な人間関係。そんななか、いつもくすぶっていたのが、ダム建設の話だった。
村全体が水に沈む──ぼくは、母に徳山方言の聞き取りをはじめた。ぼくは低学年を受けもった。一年生五人、二年生四人、三年生二人が、ひとつの教室に机を並べて、それぞれの教科書をひろげる学級はなかなかいそがしかった。子どもたちは、かわいかった。便所は男女、教師、児童共用だった。 着任間もないある日、小便していたら寄ってきた一年生の女子にとても不思議そうに「先生も小便するの?」と真顔で聞かれておどろいた。たあいないことであるが、この邪気のない疑問に応えられる教師になりたいと、ぼくは考えた。(本文より)
水没する旧道に代え、新しく開かれた国道は、かつての村の暮らしの場所からは、思いもよらない山の高みを走っている。
はるか天上近くに見上げて、山仕事の人しか登ることはなかったような場所である。
いま、私たちは、その場所に立ち、かつて村があったあたりの水面を見下ろす。そのあちらこちらを、大牧さんは、昔語りしながら指でさし示す。けれど、いずれも、私の目には、さざ波さえ立たない水面が、ただ扁平に広がっているだけだ。 (黒川創/解説より)
大牧冨士夫さんのこと
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1928(昭和3)年、岐阜県の揖斐川上流、徳山村漆原(下開田地区)に生まれ育つ。戦争末期を新潟県村松の陸軍少年通信兵学校にすごす。戦後は、大学卒業後、岐阜市での業界紙記者づとめなどをへて、故郷の徳山村の小・中学校で教鞭をとる。かたわら、郷土史に興味を寄せ、『徳山村史』の編集執筆などにたずさわる。1985(昭和60)年、徳山ダム建設に先立ち、徳山村を離村。著書に、『郷土資料── 揖斐郡徳山村方言』、『たれか故郷をおもわざる』、『徳山ダム離村記』、『研究中野重治』、評論集『三頭立ての馬車』(共著)、『中野鈴子 付遺稿・私の日暮らし、他』などがある。
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鶴見俊輔 『悼詞(とうし)』
逝く人、125人の知人・友人たちに贈った
鶴見俊輔、半世紀にわたる全追悼文集
『悼詞』は取り次ぎを通しておりませんのでご注意ください。
四六判並製、416ページ
定価3465円(本体3300円+税)
発行・発売 編集グループSURE
私の今いるところは陸地であるとしても波打際であり、 もうすぐ自分の記憶の全体が、海に沈む。 それまでの時間、私はこの本をくりかえし読みたい。 これほど多くの人、そのひとりひとりからさずかったものがある。 (『悼詞』あとがき より)
ごあいさつ
哲学者・鶴見俊輔さんは、60年あまりにわたる文筆活動のなかで、さまざまな分野の実に多くの人たちとの出会いを重ねてこられました。国の違い、また、職業や日ごろの信条の違いをまたいで、その広がりは一つの現代史を織りなすものとも言えるでしょう。
とはいえ、出会いを重ねることとは、いずれは別れを重ねることをも意味しました。鶴見さんは、これまでの人生で、おおぜいの知人・友人たちが逝くのを見送ることにもなったのです。
これまでに鶴見さんは、125人におよぶ人びとへの追悼文を雑誌・新聞などに発表してこられました。そのすべてを編集・収録したのが本書『悼詞』です。
鶴見さんによる追悼の文章は、型にはまった美辞麗句とは無縁です。むしろ、心をこめて、ときに率直な批判も含み、一人ひとりの人柄・仕事・そのおもかげを刻んでいきます。
なぜ、私たちは、ここにこうして生きているのか──。そのことを考える上でも、忘れがたい道標となる、ほかに例のない大きな紙碑がここに置かれます。
ゆかりの皆さまに、発刊を前にして、ご案内さしあげます。
2008年 秋
編集グループSURE(代表・北沢街子)
目次
巻頭詩 無題歌
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池田成彬/河目悌二/井口一郎/佐々木邦/バートランド・ラッセル/高橋和巳/志賀直哉/花田清輝/梅本克己/柴田道子/セルゲイ・エリセエフ/港野喜代子/武田泰淳/坂西志保/竹内好/大熊信行/大淵和夫/佃實夫/吉田満/神谷美恵子/遠山啓/土居光知/乙骨淑子/渡辺清/高橋甫/矢牧一宏/小泉文夫/寺山修司/橋川文三/北山茂夫/橋本峰雄/林達夫/岸野淳子/林竹二/足立巻一/野上彌生子/宮柊二/安田武/クリストファー・イシャウッド/判沢弘/貝塚茂樹/長谷川四郎/時岡茂秀/しまね・きよし/富士正晴/深沢七郎/桑原武夫/松原真理子/秋山清/手塚治虫/北岡寿逸/渋谷定輔/後藤宏行/市井三郎/長岡弘芳/赤尾敏/飯河四郎/樺光子/須田剋太/深作光貞/折原脩三/大江満雄/藤岡喜愛/寿岳文章/長谷川町子/新村猛/渡辺慧/和田洋一/望月衛/天野忠/中井英夫/前田俊彦/関根弘/柴地則之/那須正尚/谷川雁/長井勝一/中村きい子/竹森清/丸山眞男/岡本太郎/司馬遼太郎/埴谷雄高/大森荘蔵/嶋中鵬二/金達寿/鈴木均/松田道雄/堀田善衛/加太こうじ/久野収/北沢恒彦/武谷三男/永井道雄/波多野完治/本多秋五/石堂清倫/大野力/奈良本辰也/上野博正/白鳥邦夫/内山尚三/小林トミ/田村義也/藤田省三/ブライス・デウィット/網野善彦/高畠通敏/石垣りん/三島由紀夫/寿岳章子/飯沼二郎/串田孫一/都留重人/加藤芳郎/小田実/河合隼雄/多田道太郎/斎藤真/岡部伊都子/赤塚不二夫
*
鶴見良行/鶴見和子/鶴見祐輔/鶴見愛子(以上、125人)
あとがき
この本に関する記事
(朝日新聞 asahi.com 10/16 記事「125人への思いそれぞれに 哲学者・鶴見さん 追悼集を出版」)
この本に関する記事
(読売新聞 YOMIURI ONLINE 9/22 記事「鶴見俊輔「追悼文」全仕事」)
この本に関する記事
(中日新聞・東京新聞 11/30 記事「戦後思想文化の見事な紙碑」)
この本に関する記事
(朝日新聞 asahi.com 12/7 記事「別れに先立つ出会いの圧倒的豊かさ 追悼 鶴見俊輔著」)
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ご注文方法
郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、ご希望の書名、冊数をご記入の上、
〔00910-1-93863 編集グループSURE〕
あてに、本の代金(本体価格+税)+送料210円をお払い込みください。(振込用紙の書き方例)
郵便振り込みの確認を取り次第、ただちに、わたくしどもより責任をもって、郵送にてお届けいたします。
※送料は一回のご注文につき、書籍、雑貨を問わず何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
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『アジアが生みだす世界像──竹内好の残したもの』
鶴見俊輔・編2009年4月下旬刊行/四六判並製、192ページ
『アジアが生みだす世界像』は取り次ぎを通しておりませんのでご注意ください。
定価1785円(本体1700円+税)
中島岳志
大澤真幸
山田慶兒
井波律子
山田稔
黒川創
鶴見俊輔・編民衆のつながりの芽は、国の違いを越えて育ちうる──。
右に左にうつろいを続ける世相のなかにあっても、
歴史をつらぬく「抵抗」に、人が人らしく生きられる道すじを求めた竹内好。
竹内好が残したものから、未来にむけて、どんな知恵を引き出せるか?21世紀の新しい世界像を提示する、世代間のリレー
ごあいさつ
竹内好氏が世を去って、30年余りが経ちました。しかし、竹内さんが考え、論じ残したものは、いまこそ、その意味をいよいよ増しているようにも思えます。
「国家」が肥大していくなかでも、それとは異なる方向をめざす民衆のつながりの芽が、国の違いを越えて育ちうることに、竹内さんは着目し続けました。また、右に左にうつろいを続ける世相のなかにあっても、歴史の時間をつらぬく「抵抗」というものに、人が人らしく生きられる道すじを求めようとした人でもありました。
竹内好が残したものから、未来にむけて、どんな知恵を引き出せるか?
本書は、それをテーマに、2008年12月、思想の科学研究会と編集グループSUREの共催によって京都で開かれたシンポジウム〈竹内好の残したもの〉の記録です。
86歳の哲学者・鶴見俊輔さんの企画によって、33歳の若き思想史研究者・中島岳志さんを基調講演者に迎え、そこに大澤真幸(社会学者)、山田慶兒(科学史家)、井波律子(中国文学者)、山田稔(作家)、黒川創(作家)の各氏らも加わって、世代を超えた議論が重ねられました。
その記録が、いよいよ出来上がりましたので、ゆかりの読者のみなさまにご案内いたします。
竹内好氏が論じつづけた「アジア」とは何であったか?
これを要に議論は広がって、21世紀の未来にわたる新しい世界像を、私たちに垣間見せてくれます。
2009年 卯月
編集グループSURE(代表・北沢街子)
まえがき 鶴見俊輔
第一部 竹内好の残したもの
基調講演 アジア主義とナショナリズム 中島岳志
言葉にできないことを抱えて 大澤真幸
方法としての竹内好 山田慶兒
時間を飛び越える歴史観 鶴見俊輔
優しさと厳しさ 山田稔
竹内好と漢文脈 井波律子第二部 シンポジウム──竹内好を考える「場」として
参加者
中島岳志/大澤真幸/山田慶兒/井波律子
山田稔/黒川創/鶴見俊輔シンポジウムのあとで──交流会
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SUREの最新シリーズ《鶴見俊輔と考える》 のご案内
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《鶴見俊輔と考える》のご紹介
ラインナップ
第1巻 2008年2月下旬刊行 *既刊
「中国の医術を通して見えてきたもの──天文学から『夜鳴く鳥』へ」
ゲスト・山田慶兒(科学史家)
第2巻 2008年4月下旬刊行 *既刊
「科学と信仰のあいだで」
ゲスト・柳瀬睦男(物理学者・カトリック司祭)
第3巻 2008年6月下旬刊行 *既刊
「わたしの中の38億年──生命誌の視野から」
ゲスト・中村桂子(JT生命誌研究館館長)
第4巻 2008年8月下旬刊行 *既刊
「歴史の中を人間はどう生きてきたか──私たちの場所から中国中世を見る」
ゲスト・谷川道雄(中国史家)第5巻 2008年10月下旬刊行 *既刊
「この時代のひとり歩き」
ゲスト・海老坂武(フランス文学者)
各巻とも、A5判 およそ120ページ
価格 各巻本体1200円+税
*各巻のタイトルは変更する場合がありますSUREの最新シリーズ《鶴見俊輔と考える》のご案内
この新シリーズ《鶴見俊輔と考える》全5巻は、一般の書店では販売せず、SUREからの直接販売のみとなります。
郵便振替でお申し込みを頂きましたら、迅速に責任をもって郵送にてお届けいたします。
各巻ごとのお求めのさいには、いずれの巻かをご指定の上、本体1200円+税60円+送料210円=計1470円をお払い込みください。
5巻まとめてお求めのさいには、本体1200円×5+税300円+送料210円=6510円をお振り込みください。
ご購入のさい、同封の、または郵便局備付の郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名《鶴見俊輔と考える》、巻数あるいは全巻セットなどをご指定の上、
00910−1−93863
編集グループSUREあてにお払い込みください。
SUREデザイン葉書・Tシャツ
1柄/2サイズ 各3500円(税込)
今年のSURETシャツは、ありそうでなかった、「花を摘む男」!
実は、4月に刊行した『小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか』のカバーイラストです。のんきに見えるでしょう?
でもポイントは、背後に流れる黒い川。創造の源が、お花畑を流れているんです。
女性用・男性用の2サイズをご用意。
「小沢信男Tシャツ」
●Tシャツの色は白のみ。イラストの刷り色は黒と黄色です。素材は綿100%。
●サイズは、女性向けの160サイズと男性向けのMサイズ。
お手元のTシャツのサイズを測って、くらべてみてください。(サイズ表でご確認ください)
SUREの雑貨 購入方法
郵便払込にて代金をお払い込みください。ご入金があり次第、わたくしどもより責任をもって郵送にてお届けいたします(6月下旬ごろのお届けです)。郵便局備付の郵便払込用紙に、住所、氏名、電話番号、商品名、枚数をご記入のうえ、[00910-1-93863 編集グループSURE]宛に、代金の合計+送料210円をお払い込み下さい。
なお、ご入金いただいたことが確認できるまで、数日を要します。
送料は、一回のご注文につき、書籍、雑貨、チケットなどを問わず、何点でも210円です(日本国内、同一の宛先に)。
むかしのぬり絵のような瀧口ユリ子のイラストから、絵はがきセットと一筆箋をつくりました。テーマは、「アイヌのひとびとのくらし」です。一筆箋は20枚綴りで、イラスト「エカシ(おじいちゃん)とフチ(おばあちゃん)にコロコニ(ふき)とプクサ(行者ニンニク)もって帰ろ」が、すかしのように薄く印刷されています。
・絵はがき yuriko セット……8 枚1セット/オールカラー/ 1000 円(税込)。
・一筆箋 yuriko……「エカシとフチにコロコニとプクサもって帰ろ」187 ミリ×80 ミリ/20枚綴り/オールカラー/ 500 円(税込)。
・絵はがき 瀧口政満セット……8 枚1セット/オールカラー/ 1000 円(税込)。
・一筆箋 瀧口政満……「振りむいた少女」80 ミリ×187 ミリ/20枚綴り/オールカラー/ 500 円(税込)。
SUREの既刊
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セミナーシリーズ全5巻完結のご案内
SUREおすすめの本・DVDのご案内
- 鶴見俊輔ロングインタヴューの決定版!
『鶴見俊輔みずからを語る』(テレビマンユニオン)
- The Life of Seinosuke :Dr. Oishi and the High Treason Incident.
──誠之助の生涯:ドクトル大石と大逆事件 ジョセフ・クローニン著
- 金鶴泳作品集(クレイン)
- となりに脱走兵がいた時代(思想の科学社)
- FREETHINKER - The Autobiography of Nishimura Isaku
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