編集グループ〈SURE〉

ジョセフ・クローニン 著 中尾ハジメ 訳
『大石誠之助の生涯 紀州の医師と大逆事件』

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明治の時代、南紀・新宮に「ドクトル」と呼ばれる男がいた。

北米西海岸に単身で渡って、医師の免許、コックの腕前、翻訳にあたれる英語力を身につけた。

戦争に反対──。

貧しき者に医療を──。

自分で考え、思うように行動し、

国家によって死刑台に送られた、

心優しき者の軌跡。

2024年7月上旬刊行予定

定価3,300円(本体3,000円+税)

四六判並製、およそ300ページ

発行・発売 編集グループSURE



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ジョセフ・クローニン『大石誠之助の生涯──紀州の医師と大逆事件』(中尾ハジメ訳)
刊行のごあいさつ

 大石誠之助(1867〜1911)は、南紀・熊野川の河口の町、新宮で生まれました。夏目漱石の誕生と同年。その翌年、「明治」の時代が始まります。

 太平洋に面する紀州は、眼前の海原を渡って北米やオーストラリアで働く気風が、早くから広まった地です。大石誠之助も、青年期に北米へと渡航し、医師の免許、コックの腕前、翻訳にあたれる英語力を身につけました。

 故郷の新宮で医院を開いてからも、さらにシンガポール、インドに渡って、伝染病の研究に取り組んだりもしています。

 あらゆる戦争に、反対。貧しい者にも、医療を──。

 彼は、米国から直接、社会主義やアナキズムの雑誌を取り寄せて、小説、詩、評論などの翻訳にあたりました。ときには、より急進的な論文を訳して、秘密出版を行なったりもしています。

 けれど、幸徳秋水をはじめとする急進派の運動家たちとの交流は、官憲の目に留まり、ついに捕えられて、東京に身柄を送られる事件へと発展します。世にいう「大逆事件」です。そして、きわめて短期間の審理ののち、1911年1月、ほか11名の被告とともに、43歳で処刑されてしまうのでした。

 本書は、日本在住のアイルランド人研究者、ジョセフ・クローニンによる大石誠之助の伝記です。国際的な視野から、大逆事件に至るまでの誠之助に関する資料を渉猟し、これまで不明な点も多かった、異能のヒューマニストの生涯を明らかにしています。

 「大逆事件」は、近代日本最大の冤罪事件であるのとともに、権力犯罪というべき思想弾圧でもありました。そうした社会背景のなかに、大石誠之助という魅力的な人物像を見出していただきたく存じます。

 予約申し込みによるお力添えを、ゆかりの読者のみなさまにお願い申し上げます。

             2024年 卯月

               編集グループSURE (代表・瀧口夕美) 



ジョセフ・クローニン(Joseph Cronin)

1960年、アイルランドのダブリン生まれ。ダブリン大学を卒業。

1986年、初来日。1995年から日本で暮らしている。関西の大学で英語を教えながら、明治時代の人物研究に取り組む。

著書に、バジル・ホール・チェンバレンを研究したThings Chamberlain(2018年)ほか。

本書は、2014年に刊行されたThe Life of Seinosuke: Dr. Oishi and the High Treason Incident (増補、第2版)の全訳。


刊行は7月上旬です。

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