編集グループ〈SURE〉

黒川創・編
福島の美術館で何が起こっていたのか
──震災、原発事故、ベン・シャーンのこと──

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聞いてみないと、何もわからん!
住民の暮らしが厳しい試練とともにあるときこそ、地元の美術館がになう役目も、いっそう大きくなるのではないだろうか?
福島県立美術館の学芸員たちと語り合う

いわき市の津波/会津のワンルームで/線量計、買ってません/井戸水をもらいに/放射線は山地を越えてきた/記憶のなかの建物/地震のあとの美術館/そのとき誰がどこにいたか/出張中の都内から福島へ/アメダスの消えた時間/学芸員の仕事/震災の日から/「福島にベン・シャーンは貸し出し拒否!」との報道/米国側の美術館から/ベン・シャーン展の構想/変革を秘めた沈黙/ジブリ展という広場/想像力を持ってほしい/危険だということ/感覚をたよりに/教育普及のとりくみ/ミミズの話/美術館の震災被害/ライフラインの状況/外からの視線、内からの視野

2012年10月下旬刊行

定価2,484円(本体2,300円+税)

四六判・並製、およそ208ページ
発行・発売 編集グループSURE

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刊行のごあいさつ

 日本で暮らす私たちにとって、もはや、放射能の問題は避けて通れないことです。とはいえ、とりわけきびしい放射能汚染に日常をさらされながら生活している福島県下の人たちが、どのような思いをもっているのか、そこでの経験や意見の多様さまでは、よその土地で暮らす私たちに、なかなかわかりません。

 作家・黒川創は、今年7月、福島県立美術館で、開催中だったベン・シャーン展に出むき、「持続する問いの人、ベン・シャーン」という表題で講演をおこないました。

 しかし、この旅には、もうひとつ、さらに大事な目的がありました。それは東日本大震災と原発事故のあと、この美術館でいったい何が経験されていたのか、反対に黒川のほうから、学芸員の方たちにじっくり話をうかがうことでした。

 私たちSURE一同は、美術館の学芸員の人びとが、被災以来のほぼ一年半、どんな経験をして、何を考えてきたのかを知りたいと思いました。芸術は、放射能汚染下で、人びとに何をもたらすことができるのか?

住民の暮らしが厳しい試練のなかにあるとき、美術館はどんな役割を果たすことができるのか?

 ……地震にゆれた美術館の話、美術品の修復作業、休館を経て再開した「ジブリ展」に子どもたちがたくさん集まったときの話。そして、学芸員としてのみならず、一個人として経験した、震災と、その後の暮らし……。黒川と中尾ハジメ(環境社会学評論家)、そして私どもSURE一同は、6人の学芸員有志の方たちから、じっくりとお話をうかがうことができました。

 震災を境に変わったことの一つは、「福島」を冠する美術館が、これまでになかった注目を集めるようになったことにも、あるようです。たとえば、今年の6月3日から7月16日まで開催された福島でのベン・シャーン展には、アメリカの美術館が作品の貸し出しを「拒否」した、という報道がありました。ベン・シャーンは「第五福竜丸」をテーマにした「ラッキー・ドラゴン」というシリーズの作品を残しており、福島県立美術館はこれらを所蔵してもいます。そうした経緯もあって、このニュースは、かなりセンセーショナルに伝えられたきらいがあります。しかし事実としては、もっとこまやかで複雑なやりとりもそこには存在していて、だからこそ、そうした側面にも目を向けることで、芸術というものの役割についてももっと深く考えていくことができるのではないかと、私たちは思うのです。

 本書には、福島県立美術館での黒川創の講演記録、そして、福島県立美術館の学芸員の方たちとの座談会を収録しました。聞き手として、スリーマイル島原発事故以来、事故体験者との対話と調査を重ねてきた、中尾ハジメも参加し、放射能汚染下での暮らしについて、具体的な議論に発展させてくれました。

2012年 初秋
編集グループSURE (代表・北沢街子)

本書の目次

  • 序文  なにをしたいと思って、そこに出かけたか 黒川 創
  • 第一章 持続する問いの人、ベン・シャーン ──講演 黒川創
  • 第二章 夜の対話
  • 第三章 昼の対話

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本よみうり堂 評・岡田温司(西洋美術史家・京都大教授)

アートアニュアル 『福島の美術館で何が起こっていたのか』 黒川創 編

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