編集グループ〈SURE〉

2017年4月9日(日)
イベント 鶴見俊輔さんの仕事
第4回  雑誌「朝鮮人」と、その周辺

2017年03月03日 更新

鶴見俊輔さんの仕事 第4回 雑誌「朝鮮人」と、その周辺

ゲスト

小野誠之(弁護士、元「朝鮮人」同人)

関谷滋(元ベ平連・JATEC)

司会

黒川創(作家、元「思想の科学」編集委員)

 

 哲学者・鶴見俊輔さん(1922-2015)は、長い生涯を通して、広大な領域のお仕事と取り組みました。それらのなかには、著作などの形で文字となって残ったものも多数ありますが、編集者としての活動や、反戦・平和にむけての社会的な行動など、目に見える形では残りにくいものも、たくさんあります。

 私たちは、記録になりにくい領域で鶴見さんと行動を共にされた当事者の方がたに、具体的な証言を残していただくことが、鶴見さんのお仕事の全貌をとらえる上でも重要になると考えています。なぜなら、共同研究、編集、社会行動といった、世代を超える仲間たちとの共同の仕事こそが、鶴見さんのもっとも力を注ぐ仕事のありかただったと思えるからです。

 催しの第4回のテーマは、「雑誌『朝鮮人』と、その周辺」。

 鶴見さんは、京都のベトナム反戦運動の仲間である飯沼二郎さんから引き継いで、雑誌「朝鮮人」(1969〜1991年、計27冊)の編集と刊行を、全体で22年間にわたって続けました。さまざまな在日コリアンのゲストを迎える座談会などを毎号企画し、置いてくれる書店に鶴見さん自身が配本して歩いた、小さな雑誌です。サブタイトルには「大村収容所を廃止するために」と掲げられており、韓国・朝鮮人の収容と強制送還のための施設であった長崎県の大村収容所の機能が、実質的に消滅するまで、その刊行は続きました。

 この雑誌が創刊された背景には、ベトナム戦争下、米軍に協力する韓国軍から脱走して、日本に密入国してきた韓国人兵士の存在がありました。その事件に、鶴見さんらは驚き、こうした隣人たちに対して、まだ自分たちの知らないことがあまりに多いことに恥じる思いを抱いたことから、この雑誌の創刊に至ったのでした。のちには、これが韓国の軍政下にとらえられた詩人・金芝河の救援運動などにもつながっていきます。一方、同じく鶴見さんが中心となって運営されていた雑誌「思想の科学」誌上では、作家・金達寿氏による「朝鮮遺跡の旅」(1970〜73年、のちの『日本の中の朝鮮文化』)の連載なども続きました。

 今回の催しでは、雑誌「朝鮮人」に創刊まもなくから参加して、大村収容所の実質的な機能停止まで見届けた弁護士・小野誠之さん。ベトナム戦争下、韓国系兵士を含む脱走米兵援助に深く携わり、雑誌「朝鮮人」の執筆陣にも加わった関谷滋さん。このお二人をゲストにお招きし、当時の雑誌「朝鮮人」と、それをめぐる鶴見俊輔さんの行動の全貌に迫りながら、それらの検証を試みたいと思います。

2017年 春

 編集グループSURE(代表・北沢街子)

 

日時 2017年4月9日(日曜日)13:30〜17:00ごろ(13:00開場)

場所 堺町画廊 (地図は下にあります)

〒604-8106 京都市中京区堺町通御池下ル

参加費 2000円

要予約 電話、メール、ハガキにて、SUREへお申し込み下さい。

会場の席に限りがあります。かならずご予約下さい。

会場 堺町画廊地図

 

ご予約・お問い合わせ 編集グループSURE

〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町47

電話 075-761-2391メールアドレスinfo★groupsure.net(★を@に)

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