編集グループ〈SURE〉

講演と討議 「加藤典洋をどう考えるか」

2025年09月30日 更新

SURE書店

************

加藤典洋 (1948‐2019)という文芸評論家がいました。

『アメリカの影』(1985 年)でのデビュー以来、村上春樹らを重ねて論じ、さらには原爆投下、日本の「敗戦」の受けとめかたに、こだわり続けました。単著だけでも 50 冊を超える著書を残し、2019 年、ついに病に倒れて亡くなります。 毀誉褒貶にさらされた論者でもありました。一方、混迷を深める 21 世紀の世界にありながら、彼の著作は若い世代にも新たな読者を得て、読み継がれています。なぜなのでしょうか?

私どもは、この夏、さまざまな世代が集って、加藤の全著作を年代順に読みすすみながら討議した記録『加藤典洋とは何者だったか?』を刊行しました。(参加者は、1961 年生まれの黒川創、65 年生まれの鶴見太郎、71 年生まれの瀧口夕美、99 年生まれの川副博嗣、2000 年生まれの北澤快太)

今回のシンポジウムでは、さらに新しく議論の視野を広げたいと考え、思想史家、野口良平さん(1967 年生まれ)を講演者にお迎えします。

野口さんは、京都大学の学部生だった 1980 年代から、鶴見俊輔らの雑誌「思想の科学」などへの寄稿を始め、現代風俗研究会などでの活動を通じて、加藤典洋らとの交流も深めました。ことに加藤の晩年、野口さんとの交流は濃密で、互いの著作においても影響関係が見受けられ ます。遺著となった『9 条の戦後史』においても、野口さんが最終的な原稿整理をつとめました。

今回のシンポジウムでは、野口さんの講演のあと、前記『加藤典洋とは何者だったか?』の5人の参加者も討議に加わって、さらに議論の深まりを期したいと思います。晩秋の午後、限られた時間での催しではありますが、ゆかりの皆さまのご参集をお待ち申し上げます。

会場は、W・M・ヴォーリズ設計の名建築として知られる、登録有形文化財の地塩寮(京大YMCA 青年会館)です。

当日は、SURE の関連書籍の展示販売もいたします。この機会に、あわせてご利用ください。

                   2025 年 神無月

                   編集グループ SURE(代表・瀧口夕美)

日程 2025年11月23日(日・祝)

時間 13時開場、13時30分開演(16時30分終演予定)

場所 地塩寮 (京大YMCA青年会館)2階ホール

京都市左京区吉田牛ノ宮町21

市バス「京大正門前」バス停から徒歩2分

(市バス206系統、京都駅から約30分)

参加費 1500円

参加申し込みは、編集グループSUREまで。 電子メール(info@groupsure.net)、電話またはファクス(075-761-2391) にて、お名前、ご住所、電話番号をお知らせください。 ※ 席数に限りがありますので、必ずご予約をお願いいたします。

▲ページの先頭へ