黒川創・瀧口夕美編
『加藤典洋とは何者だったか?』

原爆投下、日本の「敗戦」の受けとめかたに、こだわり続けた。
なぜなのか?
71歳の生涯を駆け抜けていった、加藤典洋って、どんな人物だったのか?
2025年8月上旬刊行予定
定価3,740円(本体3,400円+税)
四六判並製、およそ400ページ
発行・発売 編集グループSURE
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黒川創・瀧口夕美編『加藤典洋とは何者だったか?』 刊行のごあいさつ
加藤典洋(1948-2019)という文芸評論家がいました。
フランス現代文学と大江健三郎にハマる早熟な文学少年。そして、東大全共闘に加わる学生時代。
『アメリカの影』(1985年)でデビューしてからは、村上春樹らを重ねて論じ、さらには、原爆投下、日本の「敗戦」の受けとめかたに、こだわり続けました。単著だけでも50冊を超える著作を残し、2019年、ついに病いに倒れて亡くなります。
混迷を深める21世紀の世界にありながら、彼の著作はなおも若い世代へと読み継がれ、高い人気を保っています。
でも、──加藤典洋とは何者だったか?──これは、まだ明らかではありません。
大きな反響を呼んだ代表作『敗戦後論』(1997年)ひとつをとっても、彼が展開した戦後思想の「ねじれ」をめぐる議論については、「国家主義的」と断ずる非難から、いや、「これぞリベラル」とする擁護論まで、いまだに評価と受けとめ方はさまざまなままのようです。
なぜでしょうか?
私たちは、まずは加藤の50冊以上に及ぶ著作を年代順にすべて改めて読み進んでいくことで、彼の軌跡と主張を追体験してみようと考えました。加藤自身の視野に立つことで、彼の「正体」も、おのずと浮き上がってくるのではないかと思えたからです。
この加藤典洋をめぐる共同の討議は、それぞれに異なる背景を持つ、以下の5名で行ないました。
編者の1人、作家の黒川創(1961年生まれ)は、加藤の『アメリカの影』でのデビュー後まもない1980年代から90年代にかけて、雑誌「思想の科学」の編集などで、彼と行動を共にしました。
もう1人の編者、瀧口夕美(1971年生まれ)は、明治学院大学国際学部での学生時代、加藤の教え子となり、その後は編集者としての付き合いが続きました。
北澤快太(2000年生まれ)は早稲田大学文化構想学部在学中に古井由吉ら「内向の世代」について専攻した塾講師。川副博嗣(1999年生まれ)は京都大学総合人間学部で「加藤典洋論」を卒業論文とし、現在は畜産業に従事しています。
さらに、コメンテーターをつとめる鶴見太郎(1965年生まれ、早稲田大学教授)は、1970年代末から加藤と面識があり、1986年、加藤が大学教員となったさいには、最初の学生の1人でした。
本書『加藤典洋とは何者だったか?』は、こうした協同にもとづく「加藤典洋ガイドブック」であると同時に、この人物に対する多角的な「批評」の書でもあります。
1人でも多くの読者にお届けしたく、予約申し込みによるご支援を、ゆかりの皆さまにお願い申し上げます。
2025年 卯月
編集グループSURE(代表・瀧口夕美)
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