阿伊染徳美
ざしきぼっこと俺── 東北の村・まち・世界

「七度の飢えにあうとも、一度の戦にあうな」
東北の民俗、そこにある世界の歴史の重なりから、原子力時代のまやかしをにらみ返す
2012年3月下旬刊行
定価2,750円(本体2,500円+税)
四六判・並製、192ページ
発行・発売 編集グループSURE
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刊行のごあいさつ
本書の著者、画家の阿伊染徳美さんは、岩手県和賀(現在の北上市)で生まれ、家のなかでは、日清戦争と日露戦争で夫を失った二人の老女たちに、とてもかわいがられて育ちました。
郷里の信仰、「かくし念仏」は、古くは南部藩、近年は東京からの押しつけに対する、息の長い抵抗の心を支えてきました。若いころ絵を志し、故郷を息苦しく感じて飛び出し、一時はキリスト教の伝道団の一員として、青森・岩手・宮城を伝道して歩いたこともあった。ふたたび「かくし念仏」へと思いをつのらせ、母親や叔母たちから伝え聞いた和賀での暮らし。1990年代はイギリスで過ごし、そこで阿伊染さんが知ることになる神話「グリーンマン」は、郷里・岩手で見知っていた「かくし念仏」などの世界と同じく、人間と自然のまじわりを体現するアニミズムを背景としたものでした。本書では、岩手・和賀とイギリスをむすびながら、その土地、その土地で育まれた信仰の織りなす世界が、阿伊染さんの個性を通して語られています。それにまつわる阿伊染さんの選りすぐりのエッセイも収録。
東北地方の歴史の厚みから、原子力時代のまやかしをにらみ返し、土地の人間たちが紡いできた村・まち・世界の新たな広がりへと、わたしたちをいざなってくれます。
2012年 立春
編集グループSURE(代表・北沢街子)
著者について
阿伊染徳美(あいぜん・とくみ)
1935(昭和10)年1月4日、岩手県和賀郡岩崎村(現北上市)で「かくし念仏」を信仰する家に生まれる。画家。国画会会員、審査員などをへて、現在は無所属。
19歳の冬、画家・福沢一郎と岩手県宮古で出会い、油彩画の評価を受け、絵画の道を志す。勤めていた宮古営林署を退職し、岩手県立盛岡短期大学美術工芸科に入学。その後、キリスト者として、米国人の伝道者らと共同生活に入り、青森県、岩手県、宮城県の各地を伝道。
1958年、キリスト教伝道団を飛び出し、東京で暮らしはじめる。サンドイッチマン、看板屋、東大医学部の掃除夫、企業の床清掃やガラス拭き、赤坂のナイトクラブ「ニュー・ラテン・クォーター」での看板・ポスター描き、照明係、学校教員など、様々な仕事をする。1977年、郷里の信仰を調査してまとめた『わがかくし念仏』(思想の科学社)刊行。1990年(55歳)、英国に移住。カサリン・バスフォード教授の弟子となり、英国の中世美術、神話「グリーンマン」の研究をはじめる。帰国後の2004年、社会評論社より『わがかくし念仏』復刊。カサリン・バスフォードとの共著『グリーンマン伝説』を同社より刊行。東北の民俗、そこにある世界の歴史の重なりから、原子力時代のまやかしをにらみ返す
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