たまたま、この世界に生まれて
――半世紀後の『アメリカ哲学』講義――
鶴見俊輔 著
鶴見俊輔85歳、その根の哲学をさらに深く掘り起こす。
太平洋戦争直前の米国留学のなかで、初めて接したプラグマティズム。
開戦、米国の監獄、そして日本軍の一員としての戦争体験。
敗戦後まもなくの「思想の科学」創刊、最初の著書『アメリカ哲学』(1950年)刊行――。
そこから半世紀をつらぬいて、考え、行動し、学びなおされてきた、この人の〈抵抗〉〈多元主義〉〈ひとびとの哲学〉とは?
時間の厚みをとらえて練り あげられた初の講義と、未来へむすぶ50歳年少の市民たちとの寺子屋的問答。
85歳、さらなる冒険へ。
目次
- 《本書の主な内容》
- 第一講 哲学はどこから生まれるか
- 母親の前で、私は悪人だった。けれど、悪人には悪人の自由がある。
- 第二講 南北戦争後の世界に「形而上学クラブ」は始まった
- 一九世紀の米国で、戦争の傷あとからプラグマティズムは生まれた。誰もが 使える思考の「ものさし」を共有することで、自分の考えもはっきりさせて、 互いにそれを較べてみることができるだろう。
- 第三講 行動計画からの多元主義へ
- ただ一人、立つこと。それが多元主義の始まりだ。
- 第四講 自分をつらぬき、汲みだす場所
- 赤ちゃんのなかにも、工夫して生きる知恵があり、科学がある。それぞれの 土地の伝統のなかから、暮らしに育まれた「プラグマティズム」の知恵を汲み だすことができるはずだ。
- 巻末 著者による注記/人名索引
四六判並製、288ページ
2415円(2300円+税115円)
鶴見俊輔
たまたま、この世界に生まれて
――半世紀後の『アメリカ哲学』講義―― 購入方法
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上梓のごあいさつ
京都在住、今年85歳の鶴見俊輔さんの哲学は、子どものときに抱いた問いを 手放さず、それに答えつづけようとする姿勢に特色があります。
また、10代後半のころ、日米開戦直前の米国で学んだプラグマティズムが、 鶴見さん自身の問いかた、答えかたの方法に、強い影響をもたらしたことも確 かなようです。
たまたま、この世界に生まれて、なぜ、ここにこうして自分はいるのか――。誰もが最初に抱くこの疑問は、きっと生涯を通して消え去ることはないでしょう。けれど、その問いを日々の暮らしのなかで吟味しながら、世界と自分の対しかたを考え、試し、また出直したり、気づいたり、知恵を寄せあってみたりすることには、ほかにない楽しみも宿っているように思えます。
最初の著作『アメリカ哲学』から半世紀以上にわたる鶴見さんの思索と行動の軌跡を、このたび、まとまったかたちで、わかりやすく、ご講義いただきま した。
こうした機会は、これまでも、これからも、まことに得がたいことと存じます。
ぜひ、ゆかりの皆さまにお読みいただき、一人ひとりの読者にとってのさら なる試みの芽につなげたく、ご案内申し上げます。
2007年皐月
編集グループ〈SURE〉(代表・北沢街子)
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