新刊のご案内:
新刊:『脱走の話 ――ベトナム戦争といま』吉岡忍・鶴見俊輔 著新刊:『ぼくの家には、むささびが棲んでいた ――徳山村の記録』大牧冨士夫著
増刷:『手放せない記憶』鶴見俊輔・小田実 著 「脱走の話」の姉妹編
脱走の話
――ベトナム戦争といま
吉岡忍●鶴見俊輔
いま起きている戦争に対して、何をしたらいいのかわからない……。四〇年前、ベトナム戦争から脱走したアメリカ兵を助けた経験を聞いて、みんなで考え、話した記録。
私たちは、軍隊から脱走できるか?
脱走した日本人をかくまえるか?
鶴見▼……武谷三男が言ったことでよく覚えているのは、「抵抗運動、つまりゲリラは、同じ手を二度つかえない」。どんなに小さい運動であっても、そのたびごとに、まったく新しい手がなければ続けられない。いまそのことに思いをいたしている抵抗運動が、起こっているでしょうか?
*
吉岡▼……その兵士は激戦地にいたんです。彼の話では、敵のベトコンが正面に、自分を撃とうとして立った。でも、相手が彼の顔をみたら、黒人だとわかった。他の仲間の米兵たちは、全員白人だった。その黒人である自分を、撃とうと思えば撃てたのに、相手は撃たなかった。撃たずに、どこかへ行ってしまった。ベトコンたちは、黒人がアメリカで置かれている立場を知っていたに違いない。そういう相手と戦争を続けるのは、いやだ。撃ちあって殺しあったりしたくない、って彼は言いはじめた。
*
会場の男性▼日常生活の延長上に、仕事だからとか、地域のつながりとかで流されていって、気づいたら戦場にいる可能性だってあるんじゃないか。そういうときに、俺は人を殺さないって、声を高く上げられるのか。
会場の女性▼アメリカでいちばん仲のよい友だちが、兵士としてイラクに行きました。彼と彼の家族の人生が、大きな濁流に巻き込まれていく気がして、個人として何を言っても無駄なんじゃないかっていう気持ばかりふくらんで、答えが出ないんです。
会場の女性▼電車に乗ると、余裕のなさを感じるんです。乗り換えるとき、お年寄りがまごつくと後ろの人が「ちっ」て言う。毎日を生きることで精一杯という感じだから、他者に関心がなかったり、政府が決めたことについてことさら反対しようという気がおきないんじゃないかと思います。
本書は、二〇〇六年一二月二三日、京都市内で開かれた《セミナーシリーズ鶴見俊輔と囲んで》完結記念、公開寺子屋『ベトナム戦争って、なに?
――自分で考える今の世の中』の記録をもとに構成しました。ほかに飛び入りゲストも多数あり。
四六判変型・120ページ。
1050円(本体1000円+税50円)
2007年4月中旬刊行。四六判変型・120ページ。
郵便払込みにて、本の代金をお払い込みください。ご入金があり次第、ただちに責任をもって郵送にてお届けします。
郵便局備付けの郵便払込用紙に、ご住所、お名前、電話番号、書名(『脱走の話 ベトナム戦争といま』)、冊数をご記入の上、〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき1050円(本体1000円+税50円)と送料210円をお払い込みください。
* 送料は一回のご注文につき、書籍・雑貨・チケットを問わず、何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
*『脱走の話』の姉妹編――
鶴見俊輔・小田実 著『手放せない記憶』も増刷しました。四六判変型、112ページ。1050円(本体1000円+税50円)。
こちらもあわせてどうぞ!
ぼくの家には、
むささびが棲んでいた
――徳山村の記録
大牧冨士夫 著
解説 鶴見太郎 イラスト・装幀 北沢街子
(鶴見太郎氏の解説「『原郷』に立つ」より)
ダムが造られても、村の暮らしの広がりは、この記憶の底に生きつづける。
岐阜県揖斐川上流に造成された「徳山ダム」。
一九八七年、ダム建設のために、徳山村はその歴史を閉じました。
けれど、その村での暮らしを、家に残された記録と追憶から掘り起こして綴る文章は、
この日本のもう一つの行き道を教えてくれます。
こどものころ、「お日さまが川を渡らっしゃった」と母がつぶやくのを聞いた。午後おそくなると、日が西の山陰に落ちて、村はかげっていく。いつのまにか日は川面を越している。日に照らされて、対岸の山の雑木林の斜面はまだあかあかと明るく映えているので、余計に村のなかは沈んでみえる。刻々と色合いを変えていく山肌の残照を眺めては、その日の仕事を急がされた。氏神の杜で蝉の鳴き声がひときわ高くなり、それは午後も遅くなったと告げているようだった。 (本書「まえがき」より)
大牧冨士夫さんのこと
一九二八(昭和三)年、岐阜県の揖斐川上流、徳山村漆原(下開田地区)に生まれ育つ。戦争末期を新潟県村松の陸軍少年通信兵学校にすごす。戦後は、大学卒業後、岐阜市での業界紙記者づとめなどをへて、故郷の徳山村の小・中学校で教鞭をとる。かたわら、『徳山村史』の編集執筆などにたずさわる。一九八五(昭和六〇)年、徳山ダム建設に先立ち、徳山村を離村。
著書に、『郷土資料──揖斐郡徳山村方言』、『たれか故郷をおもわざる』、『徳山ダム離村記』、『研究中野重治』(共著)、『三頭立ての馬車』(共著)、『中野鈴子』などがある。
四六判変形・150ページ。
1575円(本体1500円+税75円)
2007年4月上旬刊行
郵便払込みにて、本の代金をお払い込みください。
ご入金があり次第、ただちに責任をもって郵送にてお届けいたします。
* 送料は一回のご注文につき、書籍・雑貨・チケットを問わず、何点でも210円です。(日本国内、同一の宛先に)
郵便局備付けの郵便払込用紙に、郵便番号、ご住所、お名前、電話番号、E-mailアドレス、書名(『ぼくの家には、むささびが棲んでいた』)、冊数をご記入の上、〔00910-1-93863 編集グループSURE〕あてに、一冊につき1575円(本体1500円+税75円)と送料210円をお払い込みください。このたび、わたくしども編集グループSUREは、大牧冨士夫著『ぼくの家には、むささびが棲んでいた------ 徳山 村の記録』を刊行いたしました。
著者の大牧冨士夫さんは、岐阜県の揖斐川上流、旧徳山村で生まれ育った文学研究者・郷土史家です。 故郷、徳山村の小・中学校で長く教鞭もとってこられました。
いま、現地では、過去半世紀にわたる曲折の末に、総工費3500億円を投じた日本最大の多目的ダム「徳山 ダム」の巨大な堤体が完成し、試験湛水(貯水)も始まって、かつての徳山の村むらは大半が水のなかに沈みつ つあります。
けれども、そのことによっても、この山あいの村で数百年にわたって育まれてきた歴史や文化、そこに営まれて きたさまざまな暮らしの事実までもが「なかったこと」にされてしまうわけではないはずです。
大牧冨士夫さんの記憶のなかには、この村の家、その風景の中で経験してきた一つひとつの事柄が、いまも 鮮明に残っています。
また、祖先の庄屋文書や日記類に残された記録を読み解くことを通して、そこに生きた先人たちの知恵、喜び や苦労が、生き生きと甦ってきます。
この日本には、かつて、それぞれの地域の特色を帯びながら、数え切れないほどのそうした村むらがあった でしょう。そこに埋もれかけた豊かな鉱脈を掘り起こし、学びなおしていくのは、いまの私たちにもできることです。 また、そうすることが、現在の私たち自身の暮らしを、もっと深く耕しながら、より良い方向を手さぐりしていける ことにも、つながるのではないかと、わたくしども編集グループSUREは考えています。
この一冊を、ぜひとも皆さまにお目通しいただきたく、お届けする次第です。何なりと、ご高評をたまわれれば 幸いでございます。
徳山村は、かねて民俗資料の宝庫として、民俗学者・柳田国男の年少の仲間、橋浦泰雄が踏査を行ったこと でも知られています。本書の刊行に際しましては、柳田国男・橋浦泰雄研究の専門家で、日本近代史研究者の 鶴見太郎氏から解説「『原郷』に立つ」を頂きました。本書をお読みいただく上での力強いガイドにもなることと 存じます。併せてお読みくださいませ。
編集グループ〈SURE〉(代表・北沢街子)
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